20世紀末から続く規制事情

規制

20世紀の世界的な環境問題や、21世紀に入ってからの地球温暖化に関する議論は、ハーレーにも確実に影響を与えています。今どきのハーレー事情としては、ユーロ4規制以降に施行された法律が関係しています。ユーロ4とは2005年6月に施行されたヨーロッパの排気ガスに関する法律で、日本国内の法律より厳しいものでした。

2015年7月1日に施行された「バイクの排出ガス規制」では、日本国内の基準がより国際的な基準に近づけられ、車載式故障診断装置の義務化や、燃料蒸発ガスに関する風当たりも強くなっています。このため、基準に満たない一部のタイプは生産終了になるなど、日本のバイク産業も少なからず影響を受けることとなりました。

しかし、一方で出荷する地域によって仕様を変更するなど、輸出する国によって差別化を図る必要があったものが、世界的なスタンダードが確立されることにより不可能となり、部品の共通化により経費の削減が可能になるなど、悪いことばかりでもありません。ハーレーの爆音に魅せられて購入した人にとっては、今後良い方向に向かう可能性は低いと言えるため、旧式のハーレーのみが選択肢になってしまうかもしれませんが、総合的には良い方向に向かう可能性も否定出来ない状況です。